女子大生のひとりごと

三度のご飯とスイーツが好き。

大学生の将来不安記

数年前にとある自己啓発本を読んだ。
一貫して書かれていたことは、「人生において決して流されてはいけない」「最初に自分で決めた目標に向かって進むべきだ」といった内容だった。自己啓発本というものはどうしてあんなに説得力があるのだろうか、当時高校生だった私は強く感化され、その教えに従い進んできたように思う。やりたいと強く思うことに対しては、周囲の助言も全く聞かず、強引に実現させてきた。

「最初に自分で決めた目標を、周囲に流されることなく強固な精神力で達成する」という考え方と、それに相反する「流されて行き着いた場所で上手くやっていく」という考え方は、きっとどちらが正しいとか良いとかいう答えは無いのだろうが、選択の分岐点に立つときに葛藤が生まれるポイントである。前者についてはそもそも、二十歳前後の小娘に、周囲に流されないだけの明確な将来の目標を持つということ自体が困難ではないかと思うことも多い。さらに今回のコロナのような、予測不可能且つ自分ではどうしようもないような事態に見舞われ、決めた目標が達成不可能になるといったことも十分に考え得る。大学生になった私は、自分の心境や思考や目標といったものは勉強や経験によっていとも容易く変化すること、社会は不安定で変化し続けていくものであるということを学び、少なくとも自分には、前者のようにやりたいことを先に決めるということはほぼ不可能であると考えるようになった。かといって、後者のように、流されて行き着く先が分からないのも不安ではないだろうかとか考えたりもする。若いうちになんとかしないと就けない職業もあるし、なにより何か目標がないと頑張れないし、とか変に焦って、でも何も見つからない。私が知っている前者の例は、幼少期からプロのスポーツ選手になりたいと思い続けて実現させたイチロー、好きなことで生きていきたいと数学教師になった予備校の先生、医師や看護師、薬剤師といった職業に就くためにそれらの学部に進学していった同級生たち。後者の例は、好きなことをして生きていたらYoutuberになれた人々、普通に就職して寿退社する女性、英語が得意でそのまま予備校教師になった人、など。

大学生の狭い視野の中でこんなに頭でっかちに考えたって何も得られないのかもしれないけど、やはり将来の不安は存在し、選ぶ職業で人生が大きく変わると思うと、失敗できないと思ってしまうし考え続けることをやめられない。Twitterで日々目にする、仕事に生活を奪われたような人のツイートがそういう怖さを助長させるのかもしれない。浪人していた時に言われた「仕事をしている時間が人生で一番長いから、退屈でやりたくない仕事よりも好きなことを仕事にしなさい」それはその通りであるが、その見本となる大人があまりにも少ない。そもそも自分の好きなこともまだちゃんと分からない。

結論は出ないのであるが、自分に興味のあることを勉強し、私生活でも好きなことを続けて、その延長にやりたいことや好きな仕事といったものが見つかったら夢のような話ではないか。つまりどちらの考えに舵を切るわけでもなくて、流されつつもやりたいことをその時ごとに考えて努力を続けるということ。勉強し続けるということ。まだ選択の猶予があるうちに、様々な場所に飛び込み経験をすること。

あとこれは反省であるが、考えすぎても行動しなければ何も分からないということ。自己啓発書は信仰対象にしないこと。